木々楽々(キキララ)ブログ

森林インストラクター、樹医の目線から自然環境について考えてみたい、またプラスチックより持続可能な資源「木」を使用した木工品の紹介とDIY を楽しみましょう。

森林インストラクター入門(森林のしくみと生態)2

林野庁監修の森林インストラクター入門の解説と感想をお伝えします。

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・森林のしくみと生態(森林の分布)2 日本の森

日本全体の森林を見るための基本は、気候帯で分かれる水平分布および標高で分かれる垂直分布で大まかに分けることが出来ます。

日本は南北に長い国土で北と南では気温差があるので森林の姿も違って来ます。さらに、3000m級の山をもち、本州中央部の山脈により日本海側と太平洋側に分けられているため複雑な植物相をもっています。

十分な降水量があるため、どこでも森林は育ちます。その日本の森林帯を気候帯別に大まかに分けと沖縄は亜熱帯の多雨林、その北が暖温帯で、ここに照葉樹林が分布します。本州の中北部と北海道の東部を除く残りの地域が冷温帯で、ここは落葉の針葉樹林があります。

また、標高が高くなるほど気温が低くなるため、亜寒帯にあたる針葉樹林が山の上部に分布しており、その下に落葉広葉樹林が、さらにその下に照葉樹林が分布しています。

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このような垂直分布は、高い方から亜高山帯(いわゆるシラビソ、オオシラビソ帯)、山地帯、低山帯あるいは丘陵帯と呼ばれいます。また、亜高山帯の上にあるのが高山帯で、背の高い木は出現せず、ハイマツが分布します。

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中部日本の高山帯は2500m以上に分布するが、これが北海道では1000mくらいまでに下がってきます。

以上のとおり、日本の森林帯は気候帯(水平分布)および標高(垂直分布)で大まかに分ける事ができ、その地域にかなう森林帯が分布し条件にマッチするものがその森林帯を形成しています。