木々楽々(キキララ)ブログ

森林インストラクター、樹医の目線から自然環境について考えてみたい、またプラスチックより持続可能な資源「木」を使用した木工品の紹介とDIY を楽しみましょう。

春の味覚を堪能しよう!

寒い季節が過ぎて、だんだんと暖かくなって来ました。地中の中にはたくさんの植物が芽吹きの到来を待っています。今回は野の味を楽しむ山菜をいくつか紹介したいと思います。

 

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もくじ

・ワラビ
・ヨモギ
・ウド
・タラノキ
・フキ

 

山菜を取って食べてもいいですし、今はスーパーでも売られています。山菜の特徴や効能も含めて書いているので参考にして下さい。

 

 

・ワラビ

 最もポピュラーな山菜で、今では輸入品も出回っています。野原や里山の草地、山地の草原など明るい乾燥した地面に生えます。まだ伸びていないこぶし状の葉をもたげた新芽を選び、下からやわらかくなる部分を折り取ります。

 保存性が高く、独特のぬめりと食感が特徴です。アクが強く、生で食べると中毒を起こすのであく抜きが必要です。アク抜きは灰か重層を入れてゆで、一晩水にさらしましょう。アクを抜いたらさっと茹でて、おひたしや和え物に使いましょう。また鍋やそば、汁の実にして味わいましょう。

 

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 ビタミンEが含まれており、抗酸化作用があるので老化や免疫力の低下を予防するといわれています。さらに、女性ホルモンの代謝を助ける働きが期待できます。

 

 

ヨモギ

 日本中どこでも見られる身近な植物で、旺盛な生命力を持つヨモギは、草餅の食材や御灸に使うモグサの材料としたり、煎じて飲めば腹痛に効く薬草としても古くから利用されています。新芽を生のまま天ぷらにしたり、茹でて水によくさらし、草餅や和え物に利用します。

 

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 ヨモギは「緑の血液」と呼ばれる葉緑素クロロフィル)の働きにより、血液をサラサラにして血液の循環を良くするため血行が良くなって、冷え性、貧血の予防、末梢血管の拡張作用、新陳代謝促進などの働きがあるとされています。コレステロール値を下げる効果や豊富に含まれている鉄分が、葉緑素との相乗効果で造血作用を促進します。
 食物繊維がホウレン草の5倍もあるため、整腸作用によって便秘の解消にも役立ち、身体の機能を整えてくれるので、ダイエットのサポートとして取り入れるのも良いです。
 

 

・ウド

 捨てるところがない山菜で山地の斜面の草地、沢沿いなどに生える大型の多年草です。山菜としては最も人気があり、山村では春の新芽は捨てるところがないというほど多用します。さわやかな風味があり、新芽の茎は味噌を着けて生食、皮はきんぴら、葉は天ぷらに、夏のかたい葉も天ぷらで十分いけます。

 

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 アクの強い山菜ですが、このアクがクロロゲン酸という成分で抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑える働きがあります。また、アスパラギン酸も含まれており疲労回復や新陳代謝を活発にするといわれています。

 

 

タラノキ

 タラノキは新芽の部分(たらの芽)を食べる山菜です。「山菜の王様」といわれるほど代表的な山菜で、ほのかな苦み、ふくよかな味わいが特徴です。
 よく日の当たる山の斜面や林縁、荒れ地などに生える落葉低木です。高さは3メートルほどになり、春に出した茎の先の新芽を食します。幹や茎、葉には鋭いトゲがあり、採集には革手袋が必要です。

 たらの芽は何といっても天ぷらにして味わうのが良いでしょう。 

 

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 たらの芽は、むくみや高血圧を予防するカリウム、抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富に含まれています。また、マグネシウムも豊富で睡眠ホルモンメラトニンの合成を助ける働きがあり質の良い睡眠を促してくれます。

 

 

・フキ

 春先の花芽に始まる山野を代表する山菜で、各地の草地や林縁、沢沿いに生えるキク科の多年草です。地下茎を伸ばして成長します。春先に花茎の先につけるのが花芽のフキノトウで、色みを帯びるのが雄花、白い花が咲くのは雌花で、苦味が強いほうは雄花です。花が終わった後で、2,30㎝ほどの大きさになります。

 平安時代から食べられていて日本原産の山菜です。独特の苦みと香りがあり、茎は歯触りが良く、葉は柔らかいのが特徴です。フキ、フキノトウの食べ方は天ぷら、おひたし、和え物、ふき味噌、味噌汁の具、煮付け、パスタ、フキの葉ふりかけなどです。

 

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 フキは食物繊維が多く含まれており、腸の調子を整えて便秘や下痢を予防したり、血糖値の急激な上昇を抑えたりする働きがあります。また、むくみや高血圧を予防するカリウムも含まれています。

 


山菜を食べる時の注意
野山に行って山菜を自分で採取する方もいるかと思いますが、山菜の中には見た目がとても良く似ていて有毒成分のある植物があります。安全なものであると確信できるもの以外は、採らない、食べないようにしましょう。

春先にしか食べることのできない山菜もあります。山菜を食べる機会がありましたら、春の味覚を楽しみましょう。