木々楽々(キキララ)ブログ

森林インストラクター、樹医の目線から自然環境について考えてみたい、またプラスチックより持続可能な資源「木」を使用した木工品の紹介とDIY を楽しみましょう。

秋の山菜

山菜と言えば春のイメージがありますが、秋にも食べられる山菜が数多くあります。ハマナス、ジネンジョ、イチョウ、ヤマグリを紹介します。


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ハマナス

ハマナスはトマトに似た赤い実をつけます。北国の浜辺では群落をつくるほど普通に見られるバラ科の落葉低木です。花が美しいことから、庭木としてもよく植えられます。
ハマナスの葉は、楕円形の小葉で出来た奇数羽状複葉をつけ、縁は鋸歯。枝には鋭いトゲが無数にあります。
初夏にバラの花に似た5弁の炎紅色の花が咲き、熟すとトマトに似た3㎝ほどの赤い実がなります。
赤い実は甘味があり、生食しても美味しくいただけます。多めに収穫できたらジャムや焼酎に漬けて果実酒にも出来ます。


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ジネンジョ

ジネンジョはねばりの強い地中の芋です。山地の林縁など日当たりのよい場所で、ツルを伸ばして成長する多年草。葉は茎に長い柄で対生し、細長い卵形をしています。基部は心形です。雌雄異株で夏に穂状の小さな白い花をつけます。
秋に葉が黄葉してくると、小さなジャガイモのような珠芽(しゅが)むかごを2個ずつ対につけます。
山菜にはむかごと、根に栄養がたまってできたイモ(多肉根)が利用されます。自然のものは強いねばりを持っています。
むかごは茹でておつまみやむかごご飯に、イモはトロロや千切りで和え物にします。


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イチョウ 銀杏(ギンナン

イチョウは古い時代に渡来した中国原産の落葉高木です。街路や寺社の境内に植えられています。高さ40m、直径5mを超える巨木もあります。
雌雄異株で葉は扇形、先端中央に切れ込みがあり、柄は長い。秋の雌株には丸い実がつき、外側の皮の部分(外種皮)が黄色くなると異臭を放つが、かたい中の実(内種皮)ギンナンは食べ頃になります。
11月~12月の晩秋の黄葉は特に美しい風景を醸し出します。
黄色い実は水に数日さらして臭みを取り、中のギンナンだけ外し、よく乾かしてから利用します。
ギンナンは炊き込みご飯や茶碗蒸しの定番です。また、電子レンジで簡単に火を通して食べられます。お摘まみとして最高です。
ギンナンには毒性があるので、食べ過ぎには注意が必要です。


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ヤマグリ

ヤマグリは栽培グリより濃厚な味わいの小型の実が成ります。
山地の雑木林に生える落葉高木で、高さ20mほどで縦方向に裂け目の入った褐色の幹になります。葉は15㎝ほどの長く細い楕円形で互生し、縁は鋸歯になります。
6月に穂状の淡黄色をした雄花を上向きに多数つけ、雌花は雄花の基部にかたまり、緑色で目立ちません。秋にトゲのある殼(殼斗・イガ)に覆われた実をつけ、3個の実が入っています。実は栽培種のクリと比べかなり小さいが、味は濃厚でとても美味しいです。
しっかりした実を選んで煎って食べるか、皮をむいて栗ご飯や煮物にして食べます。