木々楽々(キキララ)ブログ

森林インストラクター、樹医の目線から自然環境について考えてみたい、またプラスチックより持続可能な資源「木」を使用した木工品の紹介とDIY を楽しみましょう。

塗装の基本(学んで楽しむ)No. 2

木材の特徴

木材はとても塗装がしやすい素材であり、塗料の食いつきもよい、ただし樹種によっては塗装を吸い込み過ぎるという欠点があります。
その場合は「目止め」という作業をします。これは「とのこ」と呼ばれる粘土を表面に塗り、吸い込みの原因となっている表面の細かい穴を埋めます。

木には独特の美しい木目があり、樹種によって様々な表情があります。そうした木目をさらに強調するために、ニスやステインといった木材特有の塗料を塗ります。

ステイン塗料と造膜(ぞうまく)塗料

塗料に使われる顔料や染料には、木材に染み込んで塗膜を張らないステイン塗料と染み込まずに塗膜を張る造膜塗料があります。どちらの塗料も水性、油性があります。

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ステイン塗料

ステイン塗料は木材用の着色剤です。浸透性なので木目がしっかり残り、白木も高級感ある雰囲気に仕上がります。表面を保護する塗膜作用がないので、透明ニス、またはワックスで上塗りすると良いでしょう。

造膜系塗料

造膜系塗料は主にワックスやウレタンニスという種類があります。無色透明で塗ると木目と木地色が強調され光沢が増します。表面にしっかりと塗膜をつくり保護の役割をします。顔料で色を着けた「着色ニス」と呼ばれる塗料もあります。着色ニスは色ムラが出来やすいので初心者には扱いが難しいので、初心者におすすめは(ステイン+ニス、ワックス)で塗装する方法が安全にペイントできます。

不透明塗装(一般塗料)

木目も木地色も塗りつぶす場合は、一般の色付き塗料(ペンキ)を使います。一般塗料は水性、油性のほか屋外向け、屋内向け、木工品向けなど用途別に細かく分類されています。
一般塗料を塗装することで木目を塗りつぶすことはできます。ただ木の質感は出るので木材独特の雰囲気が損なわれることはありません。
表面のキズを隠したい、木目があまり美しくないなど、様々な理由から用いられることが多いようです。

塗装の基本(学んで楽しむ)

木材塗装の目的

木材をペイントすることで見た目の雰囲気をいろいろと変えることが出来る。インテリア、オシャレ、風合い、高級感、個性の演出、リラックス、癒しなどペイントすることで日々の生活がもっと楽しくなる。
また、上記以外の目的として木材の保護の役割がある。木材は水に濡れると膨張しカビが発生する。乾燥すると反りや亀裂が生じる。風雨にさらされると劣化し表面がめくれ、直射日光で木材の色が変色する。
木材を長く愛用するためには表面をコーティングすることで木材の劣化を遅らせることができる。また防虫、防腐の効果も期待できる。

日常の暮らしの塗装

日常の暮らしの中で塗装されている箇所はいろいろある。家の床はワックス塗装、壁はペンキ、木製ベット、食器棚、タンス、机、テーブル、椅子など、ほとんどニスやオイルステインでコーティングされている。
塗装と一言で言っても上記のようにワックス、ペンキ、ニス、オイルステインと塗装用語が出てくる。劣化して塗り直す場合やDIY でペイントする場合、塗装の基本を知っておくと塗装が楽しくなる。

塗料の種類(水性塗料と油性塗料)

塗料の種類は豊富にある。まず大別すると水性塗料と油性塗料がある。
商品名の多くに油性または水性と書かれている。これはその塗料の溶剤(塗料を溶かすための液体)が何であるかを示している。油性塗料の溶剤はペイントうすめ液(一部のものはラッカーうすめ液)水性塗料の溶剤は水になる。また、油性塗料のひとつであるラッカーは、早く乾燥することが特徴の塗料で、ラッカーうすめ液が溶剤になる。
溶剤を間違えて使用した場合、塗料が解け合わずに分離したり、凝固したりするので注意が必要!
油性塗料は水に強く、耐久性がある。とかつては言われていましたが現在では水性塗料の品質が向上し、いったん乾燥し塗膜ができれば、しっかりと水を弾くし、耐久性も遜色ありません。DIY では「水で薄めたり、洗浄できる」という扱いやすさの点から、水性塗料をおすすめします。

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森林は常に変化している!(遷移について)

森林は変化している?と聞いて「そうだね」と思う人は少ないと思います。それは森林のサイクルが遅いため変化を感じ取ることが出来ないのです。
遷移(せんい)という言葉を聞いたことがあると思います。高校の生物の授業で習った人は思い浮かぶでしょう。

例えば古い建物を壊して更地(何もない土だけの土地)にします。最初は何も生えていなくても、徐々に草が生い茂り、数年経つと背の高い木が何本も生えてきます。このように植生は、時間と共に次第に変化します。その更地に人の手が加えられない限り、ちょっとした植生の移り変わりを見ることが出来ます。

植生の移り変わり
ある場所の植生が、時間の経過と共に移り変わっていくことを遷移と言います。火山の噴火により溶岩が流れ出た後の場所のように、植物や土壌が全くない裸地から始まる遷移を「一次遷移」と言います。それに対して、台風や火事のあと、土地や、種子などの植物体が残っている状態から始まる遷移を「二次遷移」と言います。

裸地(荒原)
火山が噴火すると大量の溶岩が流れます。それが固まると岩石となり大地を覆い尽くします。そこは草本が一本もない「裸地」になります。
裸地の状態は土壌に植物が生長する養分や保水力がないため、そこにいきなり樹木が生えることはありませんし人為的に種を蒔いても発芽することはありません。

コケ植物、地衣類の侵入(4~5年)
裸地に侵入できる植物はコケ植物や地衣類です。なぜ侵入できるかというと、大気中の水分と太陽光による光合成でほとんどの養分を得ることが出来るからです。そして裸地の状態から、やがて少しずつ土壌が形成され、草原ができる環境が整えられていきます。

1年生植物の草原(5年~)
1年生植物は1年のうちにタネを結実する植物のことです。コケ植物・地衣類により保水力や養分を含んだ薄い土壌ができると繁茂しはじめます。

多年生植物の草本(~20年)
多年生植物は地下茎や球根で増える植物です。多年生草本は地上部が枯れても地下茎が残り翌年には再び地表に出てくる植物です。植物の根が岩石の風化を促進します。徐々に樹木が生長できる豊かな土壌が形成されていきます。

陽樹を中心とした森林(20年~200年)
土壌環境が整ってくると、最初は強い光を好み乾燥に強い陽樹が出現します。最初に低木林を形成し、やがて陽樹の高木林が形成されます。


混交林について
高木には大きく分けると陽樹と陰樹の2種類があります。
陽樹は太陽の光をより効率良く光合成し、素早く成長する性質があります。初期の段階で土壌には陽樹と陰樹が生育していますが、強い光でより素早く成長できる陽樹の方が優先種となり、最初は陽樹林が出来ます。
この時、陰樹が全く育たなくなることはありません。陰樹は弱い光でも成長できる性質があるので、小さいながらも陽樹林の中に陰樹は生育しています。このような森林を混交林と呼びます。

陰樹を中心とした森林
陽樹が育ってくると林床に太陽光が届きにくくなります。暗い林床では陽樹は育つことなく、少しの光でも育つ陰樹が成長を始めます。こうした陽樹の成木に陰樹の混じった混交林は陽樹の幼い木となる樹種が成育できないので陽樹は自然に減退します。最終的には陰樹のみが生き残り陰樹を中心とした森林が形成されます。

極相(クライマックス)
陰樹を中心とした森林の林床は、光が少ないので陽樹が育つことなく、少ない光環境で育つ陰樹の幼木が成長します。
このように幼木と成木が入れ替わるだけで構成する樹種はほとんど変化しなくなります。
そのため陰樹の高木林は、これ以上植生が変化しない安定した状態(クライマックス)になります。
長期間にわたり森林が持続し安定した極相林は、環境によって極相林の樹種は限られてきます。
例えば、北海道(亜寒帯林)のエゾマツ林、日本海側(冷温帯)のブナ林、暖温帯の沿岸部のタブの木などが挙げられます。

合板を正しく知ろう

ホームセンターでは、いろいろな種類の合板が売られている。まずその合板とは何か?を正しく理解したい。「合板?ベニヤ?コンパネ?構造用合板?ランバーコア?」など、こうした合板の特徴や用途、JAS 規格、合板のサイズなど理解しておこう!


もくじ

・合板とは
・JAS規格とは
・構造用合板、普通合板、コンクリート型枠
 用合板のJAS規格の表示内容

・合板の特徴
・接着性能 ・合板の用途別分類
・ベニヤ合板、コンパネ、構造用合板、ラン
 バーコアの特徴、サイズ

・合板のリサイクル



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・合板とは

・合板とは

合板とは、文字通り板を重ね合わせた板の事をいう。何枚かの板を接着剤でくっつけて作る。
1本の木をかつらむきにし、1枚の板を交互に重ね合わせて作る。大根の桂剥きのように、原木を薄くスライスして板を取り出す。この薄くスライスした板のことを単板(たんぱん)英語ではベニヤという。この単板を幾層にも重ね合わせて出来た板を合板、英語ではプライウッド(PLYWOOD )という。
日本では、一般的に合板をベニヤ板と呼ぶ人が多い、これは、明治45年に範多商会がロシアから合板を輸入した際に、ベニヤ板と呼んだことが広まったとされている。
日本でも生産が始まり、1950年頃、尿素系の接着剤が開発され飛躍的に接着性能が向上した結果、生産量も大きく伸びることになった。
1920年ころからラワン材として安価な原木が東南アジアから輸入されるようになる。これが自然破壊へとつながっていくことから、現在では熱帯雨林保護のため原木樹種の転換を図っている。2013年では、合板生産の72%が国産材の使用で賄われている。



JAS規格とは

シックハウス症候群などの健康被害をクリアするために国が定めた基準がある。

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JAS規格(ジャパニーズアグリカルチュラルスタディース)略称「日本農林規格」合板の接着性能、強度性能、ホルムアルデヒド放散量などについて適合基準が定められている。

合板の裏側にはJAS規格の押印がある。その情報に基づいて、この合板がどんな合板かをチェックしよう。

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上の写真の合板は構造用合板で寸法は9.0×90×1820(㎜)。接着程度が特類で強度性能は2級である。板面の品質は表面がC、裏面がDでホルムアルデヒド放散量がF☆☆☆☆である。
ここで注目する点はホルムアルデヒド放散量だ。☆が多いほど放散量が少ない事を表示している。



・構造用合板、普通合板、コンクリート型枠用合板のJAS 規格の表示内容

構造用合板
 接着程度 : 特類、1類
 強度性能 : 1級(厚さ別及びABCD又はE-F
         で表示)
      2級(厚さ別で曲げ試験結果によ
         る)
 ホルムアルデヒド放散量
      F☆☆☆☆~F☆


普通合板
 接着程度 : 1類、2類
 板面品質 : 1~4等(広葉樹の場合)
       ABCDによる(針葉樹の場合)
 ホルムアルデヒド放散量
      F☆☆☆☆~F☆

コンクリート型枠用合板
 接着程度 : 1類
 強度性能 : 曲げ剛性試験による
 板面品質 : ABCD(表面加工なしの場合)
 ホルムアルデヒド放散量
      F☆☆☆☆~F☆

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・合板の特徴

・広い面積が得られる。
・製品サイズ(厚さ、幅、長さ)が豊富。
・含有率の変化に伴う伸び縮みがが少ない。
・あらゆる方向からの力に対して強さを発揮。
・単板の樹種の構成により、いろいろな性能
 の製品がつくれる。
・釘の保持力が高い。

合板は木材より強く、幅広く製作でき伸び縮みの少ない優れた建築材である。重要なのは接着剤による集合体なので接着剤の耐久性と安全性が最も大切になる。更に使用環境や使用目的も考慮される。




・接着剤の性能

特類(フェノール樹脂接着剤等)
・フェノールとホルマリンを主原料とする接
 着剤
・ユリア樹脂系接着剤やメラミン樹脂系と比
 較して耐水性、耐熱性に優れている
・屋外又は常時湿潤状態となる環境において
 使用することを主な目的とした合板

1類(メラミン樹脂系接着剤等)
・メラミンとホルマリンを主原料とする接着
 剤
・ユリア樹脂系接着剤と比較して耐水性、耐
 熱性に優れている
・保存性が悪いことと高価なことから、尿素
 とメラミンとホルマリンを組み合わせるこ
 とが多い
・コンクリート型枠合板および断続的に湿潤
 状態となる環境において使用することを主
 な目的とした合板

2類(ユリア樹脂系接着剤等)
尿素(ユリア)とホルマリンの主原料とす
 る接着剤
・一般的に硬化剤として塩化アンモニューム
 や酸が用いられる
・接着後の老化防止として小麦粉を加えたり
 粘土調整として水を加えたりして使用する
・時々、湿潤状態となる環境において使用す
 ることを主な目的とした合板

3類(増量ユリア樹脂接着剤等)
・家具や全く湿潤のないところで使用、現在
 では特殊用途に限られ、生産量も少ない




・合板の用途別分類

普通合板(1類、2類)
・一般的な用途に広く使われる。

コンクリート型枠用合板(1類)
・コンクリート打ち込み時にその堰板(せき
 たい)として使用される合板

表面加工コンクリート型枠用合板(1類)
・コンクリート型枠用合板の表面に塗装、オ
 ーバーレイなどの加工した合板。

構造用合板1級(特類、1類)
・建築物の耐力構造に必要な部位に使用され
 る合板

構造用、合板2級(特類、1類)
・1級と同様に使用される針葉樹合板が種で
 ある

天然木化粧合板(1類、2類)
・普通合板の表面に美観を目的として、天然
 銘木の薄い単板(スライスド単板)を貼り、
 住宅内装用や家具に用いられる合板

特殊加工化粧合板(1類、2類)
・普通合板の表面に美観と耐久性を目的とし
 て、天然銘木以外の物を貼ったり、木目模
 様などを印刷した表面加工合板で、オーバ
 ーレイ合板、プリント合板、塗装合板など
 がある





・ベニヤ合板、コンパネ構造用合板、ランバーコアの特徴、サイズ

ベニヤ合板

・単層の1枚板がベニヤ板
・貼り合わせたものがベニヤ合板
・一般的な内装や工作に使用
・1820×910(3×6尺)サブロクサイズ、厚
 さは2,3~30までバリエーションがある


コンパネ

・コンクリートパネルの略
・5層の板を貼り合わせた合板
・コンクリートダ打設の型枠に使用
・1800×900×12㎜が主流


構造用合板

・建物の構造上強度を必要とする場所に使用
・ベニヤ合板、コンパネより強度が高い
・床、壁、屋根下地などの下地材
・1800×910(3×6尺)厚さ9~28㎜がスタン
 ダード


ランバーコア

・合板の一種で様々な大きさの木片を並べて
 継ぎ合わせ、両面から大きな板を貼り合わ
 せて作る3層構造
・表面の板の違いでシナの木、ラワンなどの
 種類で「シナランバー」「ラワンランバー」
 などがあり化粧板を貼ったものもある
・軽くて強度が高い、耐久性に優れている
・収納家具、ドア、カウンターなどに使用
・1800×910(3×6尺)厚さが基本



・合板のリサイクル

住宅で使用した構造用合板、建築物で使用した型枠パネルなど、不要になったらどうなるのだろう?
不要にになった合板は粉砕装置で細かく粉砕され、間伐材などと共にパーティクルボードとして再利用される。

パーティクルボードは細かな木片や削りかすを合成樹脂で固めて熱圧成型した板である。
材質が均一で割れ、反り、節がない。大量生産、大面積の板の生産が可能だ。
しかも断熱性、耐候性、耐衝撃、防火性、庶音性に優れており、建築材のほかテーブル板、音響用キャビネットなどにも使用される。
更にこれが廃材となり、最終的にはバイオマス発電に利用される。

春の味覚を堪能しよう!

寒い季節が過ぎて、だんだんと暖かくなって来ました。地中の中にはたくさんの植物が芽吹きの到来を待っています。今回は野の味を楽しむ山菜をいくつか紹介したいと思います。

 

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もくじ

・ワラビ
・ヨモギ
・ウド
・タラノキ
・フキ

 

山菜を取って食べてもいいですし、今はスーパーでも売られています。山菜の特徴や効能も含めて書いているので参考にして下さい。

 

 

・ワラビ

 最もポピュラーな山菜で、今では輸入品も出回っています。野原や里山の草地、山地の草原など明るい乾燥した地面に生えます。まだ伸びていないこぶし状の葉をもたげた新芽を選び、下からやわらかくなる部分を折り取ります。

 保存性が高く、独特のぬめりと食感が特徴です。アクが強く、生で食べると中毒を起こすのであく抜きが必要です。アク抜きは灰か重層を入れてゆで、一晩水にさらしましょう。アクを抜いたらさっと茹でて、おひたしや和え物に使いましょう。また鍋やそば、汁の実にして味わいましょう。

 

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 ビタミンEが含まれており、抗酸化作用があるので老化や免疫力の低下を予防するといわれています。さらに、女性ホルモンの代謝を助ける働きが期待できます。

 

 

ヨモギ

 日本中どこでも見られる身近な植物で、旺盛な生命力を持つヨモギは、草餅の食材や御灸に使うモグサの材料としたり、煎じて飲めば腹痛に効く薬草としても古くから利用されています。新芽を生のまま天ぷらにしたり、茹でて水によくさらし、草餅や和え物に利用します。

 

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 ヨモギは「緑の血液」と呼ばれる葉緑素クロロフィル)の働きにより、血液をサラサラにして血液の循環を良くするため血行が良くなって、冷え性、貧血の予防、末梢血管の拡張作用、新陳代謝促進などの働きがあるとされています。コレステロール値を下げる効果や豊富に含まれている鉄分が、葉緑素との相乗効果で造血作用を促進します。
 食物繊維がホウレン草の5倍もあるため、整腸作用によって便秘の解消にも役立ち、身体の機能を整えてくれるので、ダイエットのサポートとして取り入れるのも良いです。
 

 

・ウド

 捨てるところがない山菜で山地の斜面の草地、沢沿いなどに生える大型の多年草です。山菜としては最も人気があり、山村では春の新芽は捨てるところがないというほど多用します。さわやかな風味があり、新芽の茎は味噌を着けて生食、皮はきんぴら、葉は天ぷらに、夏のかたい葉も天ぷらで十分いけます。

 

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 アクの強い山菜ですが、このアクがクロロゲン酸という成分で抗酸化作用があり、活性酸素の働きを抑える働きがあります。また、アスパラギン酸も含まれており疲労回復や新陳代謝を活発にするといわれています。

 

 

タラノキ

 タラノキは新芽の部分(たらの芽)を食べる山菜です。「山菜の王様」といわれるほど代表的な山菜で、ほのかな苦み、ふくよかな味わいが特徴です。
 よく日の当たる山の斜面や林縁、荒れ地などに生える落葉低木です。高さは3メートルほどになり、春に出した茎の先の新芽を食します。幹や茎、葉には鋭いトゲがあり、採集には革手袋が必要です。

 たらの芽は何といっても天ぷらにして味わうのが良いでしょう。 

 

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 たらの芽は、むくみや高血圧を予防するカリウム、抗酸化作用のあるβ-カロテンが豊富に含まれています。また、マグネシウムも豊富で睡眠ホルモンメラトニンの合成を助ける働きがあり質の良い睡眠を促してくれます。

 

 

・フキ

 春先の花芽に始まる山野を代表する山菜で、各地の草地や林縁、沢沿いに生えるキク科の多年草です。地下茎を伸ばして成長します。春先に花茎の先につけるのが花芽のフキノトウで、色みを帯びるのが雄花、白い花が咲くのは雌花で、苦味が強いほうは雄花です。花が終わった後で、2,30㎝ほどの大きさになります。

 平安時代から食べられていて日本原産の山菜です。独特の苦みと香りがあり、茎は歯触りが良く、葉は柔らかいのが特徴です。フキ、フキノトウの食べ方は天ぷら、おひたし、和え物、ふき味噌、味噌汁の具、煮付け、パスタ、フキの葉ふりかけなどです。

 

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 フキは食物繊維が多く含まれており、腸の調子を整えて便秘や下痢を予防したり、血糖値の急激な上昇を抑えたりする働きがあります。また、むくみや高血圧を予防するカリウムも含まれています。

 


山菜を食べる時の注意
野山に行って山菜を自分で採取する方もいるかと思いますが、山菜の中には見た目がとても良く似ていて有毒成分のある植物があります。安全なものであると確信できるもの以外は、採らない、食べないようにしましょう。

春先にしか食べることのできない山菜もあります。山菜を食べる機会がありましたら、春の味覚を楽しみましょう。

 

DIY入門(2×材)ミニ知識

DIY入門 ミニ知識(木材のサイズ)2×材編

 

もくじ
• 2×材とは
• 2×材の種類
• 購入のチェックポイント

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• 2×材とは

ホームセンターでは2×材(ツーバイ材)がよく売られている。2×材はアメリカの住宅健在だ!!
その2×材のサイズを覚えよう。
基本材となる2×4材(ツーバイフォー)は、木口の厚さが2インチ、幅が4インチのものをいう。とは言っても、なるほどとは思えない。
実寸法では、厚さが約1.5インチ=38㎜、幅が約3.5インチ=89㎜だ。なんと1.5インチと3.5インチの小数点以下を切り上げ、1.5インチは2インチに3.5インチは4インチにして2×4(ツーバイフォー)としている。
これが基本サイズで他にも2×6、2×8、2×10材などが、多く日本で流通している。

一般的な2×材のサイズ  
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材の長さはフィートで表示する。

日本の建材表示は寸、尺、間(けん)などで表示
1寸=0.1尺 約30.3㎜
1尺=10寸 約303㎜
1間=6尺 約1820㎜

アメリカの建築材が日本で広く流通するようになったのは安価で加工しやすくホームセンターで入手でき、面取り、プレーナー加工されているため買ってきてすぐに使用できるという利点がある。


• 2×材の種類

SPF

ホワイトウッド

・ウエスタンレットシダー

 

●ホームセンターでもっともよく目にするのは「SPF(エスピーエフ)」と呼ばれる樹種である。

spruceスプルース(米トウヒ)

pineパイン(マツ類)

firファー(モミ類)

などの常緑針葉樹の総称である。いずれも成長が早く加工がしやすいことから2×材に適している。

主産地はカナダ、アメリカなど北米産の針葉樹が出回っている。

 

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●「ホワイトウッド」北欧材 トウヒ属(マツ科)

この樹種は木が若いうちに製材するので、SPFに比べて節が小さいためあまり目立たない。

北欧、スエーデン産のもので表面が白く揃っていて乾燥による収縮率は比較的小さく、狂いは少ない。

用途は、住宅用部材(下地材、造作材)、家具、木工材として用途は広い、また音響性能に優れ楽器用材としても使用できる。最近は集成材のラミナとして利用が広がっている。

 

 


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●赤い木肌の木材「レットシダー」と呼ばれる樹種は、桧木の仲間で木自体に防虫防腐効果がある。

日本でレットシダーと言えば、「ウエスタンレットシダー(北米原産)」を指す。樹高は60メートル以上で直径2メートル以上にもなる。ほぼ全幹にわたり節がない。

米原産の桧木科の針葉樹で木肌は赤みがかっており、きめ細かく見た目が美しい防水性もあるのでウッドデッキやパーゴラ、ガーデン家具などのガーデン木工の材として人気がある。

• 購入のチェックポイント

2×材はあくまでも無垢材なので「反りやねじれ、節目の多さや大きさ、ヤニの多さ」などをチェックしなるべく狂いの少ないものを選ぼう。

 

・(反りやねじれ)がある材は、組み立てるさいに苦労する。まず寸法通りに仕上げる事は難しい。

カンナやヤスリなどを使用して修正することは可能だが熟練が必要だ。

 

・(節目の多さ、大きさ)がある材の特長として、節目の所は硬くなっており、ノコギリがスムーズに動かない、釘が思うように打てなかったりする。中には節目の所だけ取れてくる場合がある。

節目は木の枝があった部分で枝を支える為に硬くなるのだ。なので、なるべく節目の少ない材、節目の小さい材がおすすめだ。

 

・(ヤニの多さ)ヤニとは木の樹液であり、自分自身を守るために樹液を出して保護している。

 ヤニの多い材はネバネバがあちこちに付いたりして材を汚なくする。しかもなかなか取れないので取り扱いには気を付けたい。

 

ホームセンターでは、自分で確かめて選ぶことが出来るが、通販の場合はそうはいかない、ただし材のサンプルを送ってくれる所や、等級分けで区別しているショップもあるので参考にしたい。

地球的規模の環境問題

 地球的規模の環境問題と言えば、みなさんもご存知の通り地球温暖化問題です。
これは大気中の二酸化炭素濃度が産業革命以前と以降の環境状態が大幅に違うことが原因の一つとして考えられています。

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 石油や石炭などの化石燃料の燃焼や森林の伐採などにより、大気中の二酸化炭素濃度が上昇しています。これに伴い19世紀末以降に上昇しているものがあります。それは、気温と海面水位です。

 地球全体の平均気温が0.3~0.6℃上昇しています。また海面水位も10~25㎝上昇しているのです。これは人間の活動が気候への
影響が既に地球規模で現れていることを示唆します。

IPCC気候変動に関する政府間パネルの予測では、地球全体の平均気温が2100年には、1990年と比較して2℃上昇し、海面水位は約50㎝上昇すると予測されています。
このような地球温暖化にともなって、自然災害の増加、食料生産への悪影響、生態系への打撃、地下水の塩水化などに伴う水資源への影響など、様々な問題が世界各地で起きています。

 また、有害な紫外線を遮るオゾン層の状況ですが、オゾンホール(南極地域の成層圏オゾンが著しく減少)が毎年発生しており、オゾン層を破壊する物質によりオゾン量が減少する傾向にあります。

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 これも人間の活動が影響していますがオゾン層を破壊する物質を適切に処理した場合は、「モントリオール議定書」に基づき設けられた科学評価パネルの予測(1998年)によれば、2050年までには1980年以前の水準まで戻ると予想されています。

 国境を越えた国際的な問題として酸性雨の問題は、ヨーロッパ諸国などで土壌や湖沼の酸性化が生じており、酸性雨による森林や湖沼などの生態系に悪影響を及ぼしています。これは、化石燃料の燃焼などに伴う硫黄酸化物や窒素酸化物によってひきおこされていると考えられています。

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 地球環境の保全に重要な役割を果たしているのが森林です。世界の陸地面積の4分の1は森林ですが、その森林はどんどん減少しています。
 開発途上地域での過度の焼畑耕作や過剰な伐採などにより、森林は大幅に減少しており、また熱帯林の減少により野生動植物の種の減少などが進行しています。
 さらに、砂漠化の問題です。砂漠化の原因は「気候的要因」と「人為的要因」の二つが挙げられます。

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 気候的要因は地球的規模での気候変動、干ばつ、乾燥化などです。人為的要因は過放牧、森林減少、過耕作などです。乾燥地域の脆弱な生態系の中で、その許容限度を超えて行われる人間活動が砂漠化を進行させています。砂漠化は食料の供給不足、水不足、貧困の原因にもなっています。


 1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議において、ストックホルム宣言が採択され環境保全を進めて行くための合意と行動の枠組みが形成されました。
ストックホルム宣言では、
 「自然の世界で自由を確保するためには、自然と協調してより良い環境を作るための知識を活用しなければならない。現在及び将来の世代のために人間環境を擁護し向上させることは、人類にとって至上の目標、すなわち平和と世界的な経済社会発展の基本的かつ確立した目標と相並び、かつ調和を保って追求されるべき目標となった」と記されています。

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 この宣言から半世紀、自然環境はどうなったでしょうか?

先進諸国と開発途上国との間で公害をめぐる認識の対立は大きく、その後も、先進国においては、大量生産・大量消費・大量廃棄型のライフスタイルと経済活動の拡大が、開発途上国においては、貧困から脱却するため、持続可能とは言えない開発が優先的に進められました。

現在に至っては、人類の未来について深刻な予測が相次いで発表されると、地球上の資源の有限性や環境面での制約が明らかとなり、世界の人々に大きな衝撃を与えました。

こうした中、我が国の提唱に基づき国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」が1987年に報告した「我ら共有の未来(Our Common Future)」において、「持続可能な開発」という概念が提唱され、一般に定着するきっかけとなりました。「持続可能な開発」は、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」を意味するとされています。


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これらの動きを踏まえ、1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された、環境と開発に関する国連会議(地球サミット)において、持続可能な開発を実現するための行動原則である「環境と開発に関するリオ宣言」とその具体的な行動計画である「アジェンダ21」等が採択され、「持続可能な開発」という概念が全世界の行動原則へと具体化されるとともに、持続可能な開発が、人類が安全に繁栄する未来への道であることが改めて確認されました。